黄斑円孔(おうはんえんこう)

黄斑とは眼底の網膜にある最も大切な中心の部分です。
眼球内にあるゼリー状の組織(硝子体)は、加齢によって液体化し、やがて網膜から剥がれます。これは誰にでもおこる老化現象で「後部硝子体剥離」と呼ばれ、一時的に黒い点などが見える症状を伴います。

しかし硝子体と網膜の癒着が強かったために、後部硝子体剥離がすんなりおこらず、網膜の中で最も視力が鋭敏な中心窩という部分に穴が開いてしまうことがあります。これが黄斑円孔という病気です。中心部に穴が開いてしまうため、ものを見ようとする中心が見えにくく、歪んで見えるようになってしまいます。

 

黄斑円孔の治療

以前は治療方法がありませんでしたが、現在は後部硝子体を切除し、眼球内部にガスを入れる手術で穴をふさぐ事が可能になりました。1回の手術で穴がふさがる方が多く、8〜9割の人は不自由なく暮らせるレベルの視力に戻ります。再発例もほとんどありません。

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